【ビタミンA】何をどれだけ食べたらいいか丸わかり、食材1食分含有量

 
MICHIKO★
今回は「ビタミンA」(レチノール活性当量)の必要量と【1食分換算】含有量が多い食材順リスト、吸収促進法等について。

食べ物から摂取して体内で「ビタミンA」として働く物質は、レチノール、レシナール、プロビタミンA(体内でビタミンAに変わる)であるカロテンα、β、β-クリプトキサンチン・・・など、さまざま50種類にも及び、しかも効力の発揮具合が異なるため「レチノール活性当量」として換算されています。

ビタミンAのはたらきは、「目の健康を守る」、「皮膚・粘膜の健康を守る」。

不足すると・・・
・ドライアイ、疲れ目
・映画館など暗いところで目が慣れない
・風邪をひきやすい
・歯茎が腫れやすい

個人差が大きいと推察されるも、摂取推奨量に対して日本人の平均摂取率は男性40%前後、女性50%前後!(国民健康栄養調査2019年)

過剰症もあるのでやみくもに摂取はできませんが、イキイキとした肌と髪を保つ「美のビタミン」。要注意栄養素かも?!

ミドルエイジの「ビタミンA」必要量

ビタミンA必要量画像

「日本人の食事摂取基準」では、ビタミンAに設定されているのは「推定平均必要量(対象集団において50%の人が必要量を満たすと推定される量(50%は満たされない)」と「推奨量(対象集団においてほとんどの人(97~98%)が充足するとされる量)」。

ミドルエイジの推定平均必要量(㎍RAE*1/日) *レチノール活性当量
男性:650
女性:500

ミドルエイジの推奨量(㎍RAE*1/日) *レチノール活性当量
男性:900
女性:700

日本人の平均摂取量及び、( )内は中央値は以下のとおり。※いずれも(㎍RAE*1/日)

男性:40代 555(341) 50代528(371)
女性:40代 458(341) 50代543(379)

平均値をみると男性60%前後、女性70%前後の摂取率。中央値(いちばん多く該当する摂取量値)だと男性40%前後、女性50%前後の摂取率。
個人差があるものの、ほとんどの人が推奨量に対しては足りていないかな、という様子が見えてきます。

なお、ビタミンAは肝臓に大量に蓄えられているため、摂取が不足していても肝臓内のビタミンAがかなり低下しない限り、血液中濃度低下はみられない=欠乏症状はでません

ビタミンA摂取の推奨量は、肝臓貯蔵ビタミンAが欠乏しないために必要な量を、1日に体外へ排泄されるビタミンA量から逆算して、算出されています


【1食分換算】「ビタミンA」含有量の多い食材順リスト

ビタミンA食材イメージ画像

ではさっそく、食材リスト。
私が作成している食材リストは、普段食卓にあがるもの/あがらない等を一切忖度せず! 「八訂日本食品標準食品成分表2020年版」を1食分に換算し、多い順に並べています

理由は、リストを眺めることで各栄養素が多い食材の傾向がイメージできるといいな、と思うから。
イメージできない栄養素もあるんですけど、それはいろいろな食材に入っている=不足しずらい栄養素ということです。

ビタミンAについては、「緑黄色野菜」(中身まで色が濃い野菜)の定義が『原則として可食部100gあたりカロテン含有量が600μg(約50㎍RAE)以上の野菜』となっているため、色が濃い野菜に含有量が多いイメージがあると思うのですが、実は動物性食品にケタ違いに多い

というのが感覚的に理解できるよう、動植物混在で、シンプルに1食分で多い順に並べてみますね。
尚、動物性食品ではあまりに含有量が多くて過剰症が不安になるかもしれませんが、ビタミンAは肝臓に貯蔵されてなんぼなので、1食含有量の多い少ないは気にしなくても大丈夫です。

ただし、毎日ビタミンA含有量が多い動物性食品を食べるのはNG。動物性由来のビタミンAについては、過剰症のリスクがあります(後述)。

さて、リストにある食材を「あまり食べていないなぁ」と感じるようなら、ビタミンA摂取が不足傾向かもしれません

5,000㎍RAE/食以上 摂取できる食材多い順 ※(g)は1食分想定重量

ぶたスモークレバー(70g)11,900
ぶたレバー生(70g)9,100 *「生」のデータしかない
にわとりレバー生(60g)8,400 *「生」のデータしかない
あんこうきも生(70g)5,810 *「生」のデータしかない
やつめうなぎ生(65g)5,330

1,000㎍RAE/食以上 摂取できる食材多い順 ※(g)は1食分想定重量
あゆ養殖内臓焼き(30g)1,800
ぶたレバーペースト(30g)1,290
ぎんだら水煮(70g)1,290
うなぎかば焼き(80g)1,200

500㎍RAE/食以上 摂取できる食材多い順 ※(g)は1食分想定重量
ぎんだら生(65g)975
あゆ養殖内臓生(20g)880
ぶたレバーソーセージ(30g)840
くろまぐろ養殖赤身焼き/蒸し/レンジ生/水煮/天ぷら/天然脂身生/天然赤身生(70g)770/693/679/546/540/492/176/54
ほたるいかゆで/生(40g)760/600
にんじんジュース(200g)740
にんじん根(60g) 油炒め等~生660~414
あゆ天然内臓焼き/うるか(30g)600
なつめうなぎ 干しやつめ(30g)570

300㎍RAE/食以上 摂取できる食材多い順 ※(g)は1食分想定重量
あなご蒸し(50g)445
ほうれんそう冷凍ゆで/油いため/冷凍油いため/ゆで/冷凍/生(50g)432/378/360/270/264/175
まつも素干し(17g)425
がちょうフォアグラゆで(40g)400

200㎍RAE/食以上 摂取できる食材多い順 ※(g)は1食分想定重量
にんじん きんとき皮つきゆで・生/皮なしゆで/生(60g)246/240/228
よめな葉生(50g)280
モロヘイヤ 茎葉ゆで(50g)275
西洋かぼちゃ焼き/ゆで(60g)270/165
しろさけ すじこ(40g)268
あしたば 茎葉ゆで/生(60g)264/220
しゅんぎく葉ゆで/生(60g)264/190
青汁ケール(30g)258
ちぢみゆきな葉ゆで/生(50g)250/175
よもぎ葉ゆで/生(50g)250/220
めたで芽ばえ生(60g)246
トウミョウ芽ばえゆで(60g)/生(50g)240/150
なずな生(50g)215
にわとり心臓(はつ)生(30g)210
露地メロン赤肉腫生(70g)210
ほたるいかつくだ煮(30g)207
かじか水煮(70g)203

100㎍RAE/食以上 摂取できる食材多い順 ※(g)は1食分想定重量
エダムチーズ/エメンタールチーズ(70g)175 *料理使用想定量
ようさい(空心菜)茎葉ゆで/生(60g)192/180
にら葉油いため/ゆで/生(50g)190/185/116
だいこん葉ゆで/生(50g)180/165
すいぜんじ菜生(50g)175
パッションフルーツ果汁生(150g)134
あゆ養殖焼き(35g)168
糸みつば葉ゆで/生(30g)102/81 /根みつば葉ゆで(50g)85
つるむらさき茎葉ゆで/生(60g)168/125
ほんもろこ生(65g)163
かぶ葉ゆで/生(60g)162/115
ふだんそう葉ゆで/生(50g)160/155
すいか赤肉腫生(225g)155
野菜ミックスジュース(200g)154
ルッコラ葉生(50g)150
うずら卵水煮(30g)144
ミックスベジタブル油炒め/ゆで(40g)144/140
ますのすけ焼き(70g)140/生(65g)104
おかひじきは茎生/ゆで(50g)140/130
鶏卵 卵黄生/ゆで(20g)138/104
あぶらつのざめ生(65g)137
チンゲンサイ葉 ゆで/生(60g)132/102
あひる卵ピータン(60g)132
こまつな葉生・ゆで(50g)130
いかなご生(65g)130
わかさぎあめ煮(30g)126
かじか生(70g)126
(柑橘類)せとか 生(160g)123
ケール葉生(50g)120
タアサイ葉ゆで(60g)120
すずき生(65g)117
からしな葉生(50g)/塩漬け(30g)115/75
クレソン生(50g)115
つるな茎葉生(60g)115
みずかけな葉生(60g)/塩漬け(40g)114/96
ながさきはくさい葉ゆで/生(50g)110/80
洋種なばな茎葉生(50g)/和種なばな 花らい茎ゆで(50g)100
こい 養殖内臓生(20g)100

50㎍RAE/食以上 摂取できる食材多い順 ※(g)は1食分想定重量
かじかつくだ煮(25g)93
生乳ジャージー種(200g)106
鶏卵 全卵生/目玉焼き/いり/ポーチドエッグ(50g)105/100/90/80
すぐきな葉生(60g)/すぐき漬け(30g)102/75
うんしゅうみかん濃縮還元ジュース/ストレート(200g)102/70
リーフレタス葉生(50g)100
しろさけイクラ(30g)99
あんず乾(24g)98
サンチュ葉生(30g)96
たかな葉生(50g)95
タアサイ生(50g)90
サラダな葉生(50g)90
しゃこゆで(50g)90
わけぎ葉生(40g)/ゆで(50g)85/75
サニーレタス葉生(50g)85
うるめいわし生(65g)85
くじら うねす 生(65g)85
ブロッコリー焼き/油いため(60g)84/60
(柑橘類)セミノール生(90g)80
無発酵バター/発酵バター(10g)80/78
ひろしまな葉生(50g)80
つまみな葉生(50g)80
せり茎葉生/ゆで(50g)80/75
トマピー果実生(50g)80
マスカルポーネチーズ(20g)78
おおさかしろな葉ゆで/生(50g)65/55
たいさい葉生(50g)65/塩漬け(30g)54
さんとうさい葉ゆで(50g)65
チーズスプレッド(40g)76
普通牛乳/生乳ホルスタイン種(200g)76
みぶな葉生(50g)75
パクチョイ葉生(50g)75
キンサイ葉生/ゆで(50g)75/65
コリアンダー葉生(50g)75
(柑橘類)はるみ(130g)74
(柑橘類)うんしゅうみかん生/早生(80g)80/70
びわ生(30g)105
ひとえぐさ素干し(10g)71
みずな葉ゆで(50g)70
エンダイブ葉生(50g)70
いわのり素干し/あまのり焼きのり(3g)69
ぎょうじゃにんにく葉生(40g)68
チェダーチーズ(20g)66
シルバー生(65g)65
ふなずし(150g)65
かいわれだいこん芽ばえ生(40g)64
うこっけい卵 全卵 生(40g)64
トマト類ミックスジュース(200g)64
いぼだい生(65g)62
のざわな漬物(30g)60/生(50g)50
おきあみゆで/生(40g)60/54
めかじき焼き(70g)60
まながつお 生(65g)59
ナチュラルチーズやぎ(20g)58
白身フライ/白身フライ冷凍食品(100g)57
ブルーチーズ(20g)56
釜揚げしらす(40g)56
おおさが生(65g)55
みず菜葉生(50g)55
まさば焼き(160g)54
ゴーダチーズ(20g)54
全粉乳(30g)54
からふとししゃも生干し焼き(60g)54
プロセスチーズ(20g)52
トマトジュース(200g)52
にじます焼き(70g)52
(柑橘類)グレープフルーツ生(150g)51
(柑橘類)ぽんかん生(97g)50
モッツァレラチーズ(20g)50
しろさけ ふめん(20g)50
グアバ赤肉種生(100g)50

日本人は「野菜」からの摂取が最も多く、続いて「肉類」「卵」「乳製品」となっているので、ビタミンA摂取を推奨量に近づけるためには以下を留意するとよさそうです。

ビタミンAの摂取を「推奨量」に近づける食材選び

  • 1週間に1~2回程度、レバーや魚類などビタミンAが多い動物性の食材を選ぶ
  • 「にんじん」「ほうれん草」などビタミンAが多い野菜を週に2~3回、できるだけ毎食「緑黄色野菜」(切っても中身まで色が濃い野菜)の料理があるようにする
  • 慢性カルシウム不足の傾向も考慮すると、乳製品を日常的にとる習慣も考えたい

「にんじん」がどう転んでも(どう料理をしようが)含有量が多いのは印象的でした。さすが、笑。

レバー類はビタミンAに限らず、たんぱく質、鉄分、亜鉛など非常に栄養豊富(どれも蓄積しておける)なので、週に1~2回は意図的に食べたいですね。

冬になると出回る「あんこうの肝(あん肝)」は、含有される食材が限られている「ビタミンD」も3切れ食べれば補えちゃうという優れもの! しかし、やっぱりあん肝好きは酒好きでしょうかね・・・

ちなみに、いわゆる居酒屋の「あん肝」も、けっこう簡単にできちゃいます。
冬、張りのある鮮度よさそうなあん肝がお値ごろで売っていたら、ぜひ。

〇【魚のプロ直伝】意外に簡単、家で作れるあん肝のレシピ FOODIE
https://mi-journey.jp/foodie/47011/


「ビタミンA」吸収促進法と耐容上限量(過剰症)

ビタミンAフィギア画像

吸収促進法

ビタミンA」は脂溶性ビタミン、アブラと一緒に吸収される
  • 動物性食品の場合は、一緒にアブラが存在するので気にしなくてよい
  • 一緒に食べる食事にアブラがあれば、野菜料理自体のアブラにこだわらなくてもよい
  • 例えばまったくアブラを使わず野菜スープを作った場合などは、オリーブオイルなどアブラを垂らすとよい

脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は、アブラの代謝に乗っかって吸収されていきますから、意識しておきたいですね。


耐容上限量(過剰症)

動物性食材からビタミンAを過剰に摂取する、あるいはサプリメントからビタミンAを摂取する場合、過剰症がおこるリスクがあります
※β-カロテン等のプロビタミンAサプリメントに過剰症はありません。

野菜類からビタミンAを摂取する場合は、「プロビタミンAカロテノイド」といって、体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため、過剰症になることはありません

「では、野菜から摂取するのが安心ですね」と思うのですが、野菜からだけでは、推奨量を摂取するのがなかなか難しいです。

ビタミンA過剰症
  • 頭痛
  • 急性毒性では、脳脊髄液圧上昇
  • 慢性毒性では、頭蓋内圧更新、皮膚の落屑らくせつ(フケのように皮膚が剥がれ落ちる)、脱毛、筋肉痛
  • 肝障害
  • 推奨量の2倍以上取り続ける慢性的な過剰摂取では、骨折リスクが高まる(30年過剰摂取で、そうでない人の2倍。骨芽細胞を阻害し、破骨細胞を活性化する)
  • 妊婦の場合、過剰摂取による胎児奇形の報告がある(胎児の発達にとって必要量の摂取は必須)
ビタミンA(動物性/サプリメント)の耐容上限量

男女とも 2,700μgRAE/日
※ビタミンAは肝臓に蓄積されるため、ビタミンA含有量が多い動物性食品からの1食の摂取量が多くても、毎日その量を摂取しなければ問題ありません。

良かれと思って毎日レバー類を食べていたりすると、過剰症をおこすリスクがあります
「蓄積する」ということを考えて、週1~2くらいの頻度が妥当かな、と思われます。うなぎ、あん肝なども多かったですね、すごーく好きでしょっちゅう食べる方もいらっしゃるかと思いますので(そういう食材ですよね、笑)要注意です!

そして。

肝臓がアルコールを解毒している間、ビタミンAは肝臓に蓄積されない

アルコール中毒患者は、ビタミンA欠乏症になっていることが多いことが知られています。

残念ながらアルコールは毒物なので、アルコールがある以上、肝臓をはじめ、体はアルコールの解毒を最優先させ、その間、栄養代謝は後回しにされてしまうのです。この点は、肝に銘じておきたいですね。

以上を考慮すると、週1~2回、ビタミンA含有量が多い動物性食材を意識して選択し、日常的には「にんじん」「ほうれん草」などビタミンA(カロテン類のプロビタミンA)が多い食材を意図的に選びつつ、毎食、緑黄色野菜(切っても中身まで色が濃い野菜)の料理があるように意識する、乳製品も常食するようにすると、推奨量に達しやすいのかな、と思われました。

ビタミンAは、イキイキとした肌と髪を保つ「美のビタミン」とも言われますから、推奨量摂取をめざしたいですね!


まとめ

星×まとめ画像

✐ビタミンAのはたらきは「目の健康を守る」「皮膚・粘膜の健康を守る」、イキイキとした肌と髪を保つ「美のビタミン」とも言われる

ミドルエイジの推奨量(㎍RAE*1/日) *レチノール活性当量
男性:900女性:700

✐個人差があるものの、ほとんどの人が推奨量に対しては足りていない
平均値では男性60%前後、女性70%前後の摂取率。中央値(いちばん多く該当する摂取量値)だと男性40%前後、女性50%前後の摂取率。

✐色が濃い野菜に含有量が多いイメージだが、実は動物性食品にケタ違いに多い

✐ビタミンA含有量が多い動物性食材を週に1~2回食べないと推奨量の摂取が難しいが、動物性由来のビタミンAは過剰症のリスクがあるため、毎日の多量摂取はNG

✐サプリメントからの過剰摂取も要注意。
(β-カロテン等、プロビタミンAのサプリメントに過剰症のリスクはない)

✐耐容上限量(過剰症のリスクがないと考えられる量)は男女とも2,700μgRAE/日


✐脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は、アブラの代謝に乗っかって吸収されるため、アブラと一緒に摂ると吸収率がよくなる

✐肝臓がアルコールを解毒している間はビタミンAは蓄積されないので要注意


 
MICHIKO★
最期までお読みいただき、ありがとうございました!
初めて本ブログをごらんいただいた方は、ぜひこちらの記事もご参照ください。
また、お会いしましょう(^_-)-☆
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