日本のみならず、世界中で不足しがちで警鐘が鳴らされる「ビタミンD」。
その理由は、特殊な食材にしか含まれていないから。
『「カルシウム」とセットで骨代謝を行う』という重大ミッションだけでなく、様々新しい知見がでてきているビタミンD。ぜひ、攻略してくださいね。
ビタミンDのはたらきについては別途まとめたので、ぜひ一緒にご参照してください。
MICHIKO★「ビタミンD」を攻略しましょう!「ビタミンD」のポイントは大きく3つ ですよ。①「カルシウム」とセットで骨代謝に欠かせない②形状はストロイドホルモンでホルモンと捉える専門家も。不足するとさまざまな病気の発症[…]
ミドルエイジのビタミンD必要量
「日本人の食事摂取基準」では、ビタミンDは「目安量」(ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量)という数値が設定されています。
ビタミンDは日光(紫外線)によって体内で作られるため、食事から摂取すべき量の個人差が大きく、それを加味して「推定平均必要量(対象集団において50%の人が必要量を満たすと推定される量(50%は満たされない))」「推奨量(対象集団においてほとんどの人(97~98%)が充足するとされる量)」を決めるには、日本ではまだデータが足りないのだそう。
アメリカ・カナダの「推奨量」は15μg/日。ここから、札幌の冬場でも体内で合成されるであろう5μgを差し引いた10μg/日が必要量と仮定され、『骨折のリスクを上昇させないビタミンDの必要量』として、以下の「目安量」が確定しています。
※「骨折のリスクを上昇させない」栄養状態を維持するのに十分な量
男女とも18歳以降:8.5
日本人の平均摂取量(国民健康栄養調査2019)は、※( )内は中央値(最も該当者が多かった摂取量)、単位μg/日
20代:男性5.9(2.8) 女性4.6(2.3)
30代:男性5.5(2・5)女性4.9(2.3)
40代:男性6.4(2.7) 女性5.3(2.4)
50代:男性6.8(3.1) 女性5.4(2.6)
中央値がとても低いので、一部充足している人はいるけど、ほとんどの人がかなり不足している。
と読み取れます。
【食材1食分】ビタミンD含有量の多い順リスト
「ビタミンD」は含まれている食材が限られている。
なんといっても、押さえておきたい特長です。
- キノコに含まれるビタミンD2
- 魚肉及び、魚類肝臓に含まれるビタミンD3
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、「最近ビタミンD3の方が効力が大きいという報告も見られるが、現時点では両者の換算は困難」と記されています。
※「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」は、非常に厳しくエビデンスを精査していて、ほぼ確実な根拠がない限りはこのように記されます。
上記以外、卵にはそこそこ含まれているものの、動物性食品に多少(1μg/1食分以下)、他の食材の含有量は「0」!
日本人は魚から最も摂取していて、続いて卵類、きのこ類、肉類、乳類。
つまり、魚を食べる習慣がない人は不足している可能性がかなり高いといえそうです。
「アブラに溶けて体内に蓄積される」という特性をもつ「脂溶性ビタミン」ですが、他のビタミンと異なって肝臓には貯蔵されず、余剰分は血液に乗って全身を巡回、15日で半減する。
つまり、1週間単位で目安量が摂取できていればよい、といえますね。
8.5μg/日×7日=59.5μg
また、体脂肪が多いと脂肪組織にビタミンDが閉じ込められてしまうため、ビタミンDが吸収されづらいことがわかっています。食事摂取基準は、さまざまなケースを想定して安全パイで基準を策定しているのでナーバスになる必要はないと思いますが、ご参考まで。
さて本リストは、食材100g単位のビタミンD含有量が示されている日本食品標準成分表2020年版(八訂)(文部科学省)を1食分含有量に換算し、日常的に食べる/食べないに関わらず、とにかく多い順に並べています。
その狙いは、「該当する栄養素がどのような食材に多いのか」直感的にイメージができるようになること。
実際、含有される食材に特徴がない栄養素は、様々な食材に含有されているということなので、意識しなくても摂取できている、不足していない場合が多いです。
ではお待たせしました、【食材1食分】ビタミンD含有量の多い順リストをご確認ください。
注記
- 「魚」と「魚以外」に分けた
- 魚は「ビタミンD」15μg以上含む食材は各食材を記載、15μg未満は魚の種類でまとめた
◆35前後
まいわしみりん干し(1尾70g)、にしん開き干し(1/2尾)、あんこう肝(3切れ30g)、からふとます焼き(1尾110g)
◆30前後
身欠きにしん(1尾60g)、しろさけ焼き(いわゆる鮭、1切れ70g)
◆25前後
紅鮭焼き(1切れ70g)、くろかじき生(刺身5切れ65g)、しろさけ水煮(1切れ70g)
◆20前後
かつお塩辛(大さじ1)、まいわし丸干し(1尾40g)、にしん燻製(1尾40g)、すじこ(40g)、まがれい焼き(1尾100g)
◆15前後
なまり節(80g)、まるあじ焼き(1尾110g)、まいわし生干し(1尾150g)、塩鮭(1切れ70g)、まいわしフライ(1尾70g)、銀鮭焼き(1切れ70g)、からふとます生(刺身65g)、そうだかつお生(65g)、にしん生(65g)、さんま焼き(1尾65g)、かずのこ水戻し(3切れ80g)、さんまみりん干し(1尾70g)
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引き続き、概ねビタミンD10は超える魚類(生、焼き、干し等込々)
かつお、いわし、にしん、まるあじ、しまあじ、さけ、ます、さんま、うまづらはぎ、かれい、うなぎ、あゆ、まぐろ、かます、かわはぎ
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引き続き、概ねビタミンD5は超える魚類(生、焼き、干し等込々)
鯉、さば類、まあじ、まかじき、にじます、いとよりだい、おいかわ、すずき、ぼら、さわら、とびうお、じゃこ(10g)
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引き続き、D1以上、5未満の魚類(生、焼き、干し等込々)
さわら、ぶり、たかべ、ふな、やつめうなぎ、まだら、ほんもろこ、かじか、しらす干し生・微乾、いぼだい、ほっけ、いかなご、すっぽん、はたはた、わかさぎ、あゆ
あらけきくらげ 油いため(35g) 13.3
あらげきくらげ ゆで(35g)8.8
あらきくらげ生 0.035 (←生じゃダメみたいですね)
きくらげ ゆで 3.1
まいたけ油いため 4.6
まいたけゆで 3.5
干ししいたけゆで 0.5
しいたけ調理各種 0.3
えのきたけ 調理各種 0.5
ぶなしめじゆで 0.5
ぶなしめじ油いため 0.3
目玉焼き 2.0
生卵 1.9
・魚類は、1食分が少ない食材(たらこ1食分など)以外は1μg以上含んでいると思っていい
・魚類に続いて、肉類が1食分で1μg以下で続く
・牛乳コップ1杯(200ml)で0.3μg、チーズ1食分で0.2μgくらい
きのこは、ビタミンDといえば「きくらげ」! 日本で流通しているのはほぼ「あらけきくらげ」だそうです。
きのこ類は『天日に干されたかどうか』が重要です。かつて「干ししいたけ」はビタミンD食材の王様でしたが、最近は天日干しではない(熱風乾燥等)ものがほとんどなので、陥落。
しかし! 自分で干しても大丈夫。
「しいたけ」には、日光にあたるとビタミンDに変化する「エルゴステロール」が含まれているため、料理の30~1時間前に天日干しすると、ビタミンDが10倍に増えます。(余裕がないとできないんですけどね、笑)
軸、ひだひだが上向きになるように干してくださいね。ちなみに「干ししいたけ」も、3.5~30分で10倍以上に増えるそうです。
〇干し椎茸の干し方
↓↓↓これは、わが家。
「えのきだけ」(1食分0.5μg含有)にもエルゴステロールがあるので、干すとビタミンD量がアップします。
※わが家でシメジが干されているのは、旨味凝縮のため( ´艸`)
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1週間単位で8.5×7日=59.5μg摂取でビタミンD濃度が保てそう
・毎日「卵」1個食べて2μg×7=14μg
・週に2回「まいたけ」か「料理の前に日光にあてたしいたけ」(笑)かを食べて3μg×2=6μg
・残り39.5μgをリストの中から選べばいい!
例えば「週に2回さけ(サーモン)を食べる」、あるいは脂肪酸バランス(魚からオメガ3脂肪酸をとりたい)の面からも週4回以上の魚料理が望ましいとされているので、ざっくりとさけ(サーモン)1食を含めて魚料理週4回以上にする。
念のため週に1回「きくらげ」料理を入れれば10μg前後(お高いのが難点ですが、お取り寄せで「訳アリ」などだと割と安く買えます)摂れる。
〇食⑧【徹底解説】現代病予防に必須『アブラコントロール』の習慣化術
ご参考までに、わが家の場合。
・「じゃこ」をお取り寄せで1kg購入して冷凍ストック、調味料のようにしょっちゅう使って5μgゲット(乾燥させた「じゃこ(上乾)」は冷凍してもくっつかないからとても使いやすい。乾燥すると栄養素が凝縮するから、同量のしらすよりビタミンDの含有量が多くなる)
・安い時には「サーモン/鮭」を必ず購入してせっせと冷凍ストック
・外食は基本的に魚料理をチョイス
・秘密兵器は、ビタミンD強化卵
卵は、10個入りを200円ちょっとで「ビタミンD」「ビタミンE」「DHA・EPA」など強化しているものが購入できます。私が購入しているものは、ビタミンD含有量はふつうの卵の2~7倍含有とのこと。私は1日に2個食べるから、卵から1週間に56~196μg摂取。なんと、卵だけで摂取目安量はクリアしていた?! 笑。
最近はカルシウム摂取を意識してビタミンD強化した牛乳もありますね。
ビタミンD吸収促進法
- 脂質を含んだ魚類から摂取する
- きのこ類を炒めたり揚げたりして食べる
- 生卵なら油を垂らす、アブラを使った料理にする
アブラを使った他のなんらかの料理と一緒に食べれば、同様に吸収はよくなります。
「ビタミンDサプリメント」は必要か
まず、ビタミンDには過剰症がり、耐容上限量(過剰症にならないために設定されている摂取量上限)が設定されています。
ミドルエイジの「ビタミンD」の耐容上限量は男女とも100μg/日。過剰な症状は以下のとおりです。
- 腸からカルシウムを吸収しすぎて高カルシウム血症がおこり、血管壁や腎臓、心筋、肺などに多量のカルシウムが沈着し、腎機能障害、食欲不振、おう吐、神経の興奮性の亢進など
どの栄養素もそうですが、大前提は、食事から。食事からの摂取で過剰症になることは、ごく稀です。
そして、「ビタミンD」だけではなく、他の栄養素、未知の栄養素も含み、生命体には理屈では完結しえない、栄養の黄金バランスがあるはずだからです。
でも。
・魚類・卵を一切食べないビーガンなど菜食の人
・住んでいるエリアの環境上、リストのような食材を頻繁に食べることができない人
・リストにある食材が好きではなく、なかなか食べられない人
このような方は、サプリメントを検討してもいいと思います。サプリメントによって、ビタミンDの血中濃度があがることは確認されています。
一般的に市販されているサプリメントは1,000IU(国際単位)=25μgのものが多いです。1か月分がワンコインでおつりがくらいですよ。
※かつてビタミンDはIU(国際単位)という単位を使っていたので、今もこの単位を示したものが多いです。
まとめ
(以下、別記事(本記事末添付) より抜粋)
✐「ビタミンD」は「カルシウム」とセット、骨代謝に重要に関わり、「副甲状腺ホルモン」とともに血液中のカルシウム濃度を厳密にコントロールしている
✐「ビタミンD」不足は骨粗しょう症や、骨軟化症、X脚やO脚などに関わっているだけでなく、不足することでアルツハイマー、認知症、感染症、肺活量低下、喘息、高血圧、メタボリックシンドローム、がんなど、さまざまな病気のリスクを高めることが着目されている
✐紫外線を浴びることで皮膚で「ビタミンD」が合成されるため、本来食事から摂取すべきビタミンD量は個人差がある。日照が少ないところに住んでいる方、また年齢が高くなると皮膚で合成されにくくなるので注意
(以下、本記事より抜粋)
✐ビタミンD摂取の充足度は、男性35%前後、女性は30%前後(国民健康・栄養調査2019年中央値より)。血中濃度を測定する疫学調査結果では男性72.5%、女性88.0%が不足または、欠乏者に該当
✐目安量(「骨折のリスクを上昇させない」栄養状態を維持するのに十分な量)は男女とも8.5μg/日
✐天然にビタミンD活性を有する化合物は大きく2つ、「キノコに含まれるビタミンD2」と「魚肉及び、魚類肝臓に含まれるビタミンD3」
✐ビタミンDは全般的に魚類に多く、どのエリアでも身近な食材としては「さけ類(10~30μg)」に多い。きのこでは「あらけきくらげ(10μg)」(日本で一般的に流通している種類)が突出、続いて「「まいたけ(3.5~4.6)」、きくらげ(黒きくらげ)(3μg)」。「卵(2μg)」からも摂取を積み上げやすい
✐1日1食魚料理を食べれば目安量は摂取できるといえそう。脂肪酸バランス(脂肪が多い魚に含まれるオメガ3脂肪酸を摂取したい)からも週4回以上の魚料理が推奨されている。1週間単位で摂取目安量8.5μg/日×7日=59.5μgを摂取できるよう、定期的に摂取したい食材を決めておくと不足しにくい
✐ビタミンDは脂溶性(アブラに溶ける)ビタミンなので、アブラと一緒に摂取すると吸収がよくなる
✐魚類・卵を一切食べないビーガンなど菜食、住んでいるエリアの環境上ビタミンDを多く含む食材を頻繁に食べることができない、あるいは好きではない、日照が少ないエリアに住んでいる、年齢が高い方は、不足するリスクよりサプリメントで補充するメリットが高いかもしれない。過剰症があるので摂り過ぎに要注意。
初めて本ブログをごらんいただいた方は、ぜひこちらの記事もご参照ください。
また、お会いしましょう(^_-)-☆